株式会社リベルタス・コンサルティング

事業計画のスキマを埋めるもの

文章で意図を完全に表現するのは難しい。そのため、人は文章を読むとき、行間を”何か”で補完して読むことになる。

事業計画の行間

例えば、事業計画を書いたとしよう。事業のミッション、市場規模、売り上げ目標、資金計画、スケジュール等、いくら情報を埋めても、あなたの頭の中にある事業は、紙の上では完全に表現されない。

そこで、あなたが事業計画を書く時には、行間を埋める”何か”までを意識して書く必要がある。

では、何を意識したらよいのだろうか。その要素はいくつかあるが、書き手(人、企業)の顔が読み手に見える事業計画では、筆者は特に以下の2つに気をつけるべきだと思う。

行間を埋める2つの要素

1つは、その「誰(企業、人)」が発信しているかである。 同じ内容の事業計画でも、普段から着実な仕事をしている人・企業の書いた事業計画と、いいかげんな仕事しかしていない人・企業の書いた事業計画では、おのずとその評価も変わってくる。

もう1つは、どんな「動機」で、この事業計画を書いたかである。「お金儲けをしたい」という動機で書かれた事業計画と「世の中の役に立ちたい」という動機で書かれた事業計画は、おのずと異なってくる。

読み手は、事業計画の背景にある動機まで評価をする。いくら完璧な事業計画でも、その動機に共感ができなければ、読み手は、その事業計画を評価してくれないだろう。逆に、多少、事業計画に多少甘いところがあったとしても、その動機が共感できるものであれば、きっと読み手は何らかの助けの手を差し伸べてくれる。

この2つ、当たり前のことのようにも思えるが、見逃している人は多い。

もし、あなたが、しっかりと事業計画を書いたと思っているが、その内容が相手に伝わらない時、今述べた2つのことを検証してみるといい。

逆を言えば、ここであげた「誰(すなわち自分自身の信用力)」と「動機」を磨くことで、おのずから事業計画もレベルアップされることになるはずだ。

2007年2月23日
八田 誠(はった・まこと)
※本稿は執筆者の個人的見解であり、弊社の公式見解を示すものではありません。
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